不動産取引の前に知っておくこと

不動産取引の前に知っておくこと

買主が知らないと損する知識

その1 地中地下埋設物調査

「不動産引き渡し後に、地中地下埋設物が出たため、それらを撤去するための聞かされていない費用が発生したため、損害を受けた」という場合があります。

対策事例 売主に、「地中地下埋設物調査の実施記録の有無」を契約前に明示してもらいます。多くの契約書及び売買重要事項説明書には、「売主は引渡し後の隠れた瑕疵については担保責任を負わない」旨の特約が記載されています。
記録があればその内容を不動産業者から説明を受けましょう。どの程度の内容物が埋設されているかを聞き、処理対策にはどの程度の費用がかかるかを見積もりしてもらった上で、契約することが望ましい。
判例 東京都から土地の払い下げを受けた買主は、平屋店舗を建築し6年間無事に過ごし、その後、ビル建築を始めたところ、地中からアスファルトやコールタールを含んだガレキが大量に出たので、撤去費用を9000万円余りを請求して裁判を起こしました。
判決は、「契約書及び重要事項説明書に、契約目的が平屋の建築と記載されており、買主は6年間無事に過ごせたのだから契約上の損害はない。契約書、重要事項説明書に売主の瑕疵担保責任は負わない旨が記載されている。よって、請求は棄却」

その2 不法行為責任

【実例2】
不動産引き渡し後に、8年前のボヤ火災のときに修復もしたので問題ないと思い、買主に説明しなかった。しかし、「火災ボヤの事実が発覚し、最初に知っていればもっと減額を請求したとして、買主の損害を売主は支払え」という裁判を買主が起こした場合があります。

対策事例 売主は、たとえ素人であったとしても、買主に対しては、「契約上の付随義務」として、契約前に重要な事項を説明する義務があります。(H9.1.28東京地裁裁判決・裁判長 塚原朋一)
そのために、「売主の情報開示書」と言われるものを、契約前に必ず、買主は取得しましょう。
素人である売主は、それでは難しくて大変だから、資格のある宅建業者に手数料を支払って調査説明を補助してもらっています。
しかし、知っているのに、契約したいから、売主が買主に重要なことを知らせなかった場合は、「不法行為責任」とされます。
この場合、売主は、引渡し後10年を過ぎても免責とならずに、20年間買主に責任を負うこととなります。
判例 築後28年の中古住宅の売却で、8年前の火災ボヤの際、消防自動車が来ただけで、売主自身で消火した。台所はきれいに内装工事をしてきれいになったので、契約時には不動産仲介業者に質問されたが問題ないと考え、説明しなかった。
判決は、「古い建物とはいえ、グルニエ、大型車庫付き住宅という宣伝文句で買主が購入したのだから、少なくとも建物に価値があるので、その分は買主の損害にあたる。過去のボヤの事実も瑕疵にあたる。よって、60万円を売主は買主に支払え」と。
売主が知っていて告げない事項は「隠れた瑕疵」ではなく、「不法行為責任」です。したがって、20年間責任を負うことになります。

その3 売主の瑕疵担保責任とは

引き渡しを受けた不動産に瑕疵(欠陥のこと)が発見されたた場合は、買主はその損害を売主に請求できます。
このことを「売主の瑕疵担保責任」と言います。
しかし、その責任を売主に請求できない場合もあります。

不動産の瑕疵について、東京高等裁判所・浅生重機裁判長は次のように述べています。
「売買の目的物に隠れたる瑕疵がある場合、売主は瑕疵担保責任に基づく損害賠償責任を負う。ここにいう暇疵とは、当該目的物を売買した趣旨に照らし、 目的物が通常有すべき品質、性能を有するか否かの観点から判断されるべきである。」(平成15年9月25日東京高裁)
「不動産には瑕疵がある」というのはつきものですが、瑕疵の全てを売主に請求できません。契約時に「買主が既に知っている事実」、「買主が少し注意すれば知っていて当然の事実」、「売主から正直に伝えられている事実」などは、知っていることなので責任追及できません。
このような事実ではなく、買主が 取引上の通常の一般的な注意義務 に過失がなく知らなかったという場合は「隠れたる瑕疵」となります。
また、この「隠れたる瑕疵」の全てを売主の責任とすることもできません。
「隠れたる瑕疵」の内、「買主の契約目的や利用計画、使用方法に支障が出て生活にも困る」という場合、初めて、売主の責任を要求できます。
これを、「売主の瑕疵担保責任」と言います。特約がなければ引き渡し日から10年間です。

その4 宅建業者は、通常、専門検査は行わない!

不動産トラブルの多くは、不動産引渡後に、「隠れた瑕疵(欠陥)が発見されること」で、不動産トラブルが発生します。
この場合においても、宅建業者は通常、国交省に登録した土壌汚染調査などの専門検査機関ではありません。
「不動産のことなら全てお任せください」という従来の不動産セールスは信頼できません。

その5 宅建業者の不動産調査には限界がある!

宅建業者は、通常の範囲で、不動産についての重要な事項を専門家としての知識をもっていれば可能な範囲で不動産調査をしなければなりません。
しかし、一般住宅の調査のために、深夜12時に不動産調査をすることはありません。
また、裏のがけ下にある境界線の状況を調査するわけではありません。
実際に、調査をしていない箇所も十分に説明を聞くことが大切です。

不動産の専門知識を有する宅建業者といえども、先ほどの専門検査の分野以外においても、全て不動産調査をしたとは限りません。
調査をしなかった部位については、後日、紛争やトラブルが発生する可能性があります。
買主は、どの部分が調査できなかったのか、調査できなかった理由などを不動産業者から聞くことが大切です。
買主が最も心配している部分を不動産業者が調査していない場合、専門検査機関に委ねるか、購入を再検討するか、十分に考慮することができますね。
たとえば、マンションの窓から見える遠くの景観はいつまでも残るのか?
がけ下の境界付近で問題が起きていないか?
建物の土台の状況はシロアリの被害はないのか?
建物に発見された外壁の亀裂は構造上の問題はないのか?
近所の公園は週末には暴走族のたまり場ではないのか?
などの検討が出来ますね。

その6 「売主の情報開示書」とは

売主しか知りえない事項」が不動産にはたくさんあります。
これらの「売主しか知りえない事実」を売主が買主に隠蔽したり、説明しなかった場合は、不法行為として、売主は損害賠償請求を受けます。
たとえ、「瑕疵担保責任を負わない」という契約をしても、買主が全く想定していなかった欠陥については売主責任とされる場合が多い。


売主が知らないと損する知識

その1 瑕疵担保責任

不動産引き渡し後に、「地中地下埋設物が出たため、それらを撤去する費用の損害を売主は買主に支払え」という裁判を買主に起こされる場合があります。

対策事例 「買主の契約目的」を契約前に明示してもらい、契約書及び売買重要事項説明書に、「買主の契約目的」を記載するように依頼します。
判例 東京都から土地の払い下げを受けた買主は、平屋店舗を建築し6年間無事に過ごし、その後、ビル建築を始めたところ、地中からアスファルトやコールタールを含んだガレキが大量に出たので、撤去費用を9000万円余りを請求して裁判を起こしました。
判決は、「契約書及び重要事項説明書に、契約目的が平屋の建築と記載されており、買主は6年間無事に過ごせたのだから契約上の損害はない。よって、請求は棄却」

その2 不法行為責任

【実例2】
不動産引き渡し後に、8年前のボヤ火災のときに修復もしたので問題ないと思い、買主に説明しなかった。しかし、「火災ボヤの事実が発覚し、最初に知っていればもっと減額を請求したとして、買主の損害を売主は支払え」という裁判を買主が起こした場合があります。

対策事例 売主は、たとえ素人であったとしても、買主に対しては、「契約上の付随義務」として、契約前に重要な事項を説明する義務があります。(H9.1.28東京地裁裁判決・裁判長 塚原朋一)
そのために、「売主の情報開示書」と言われるものを、契約前に必ず、買主は取得しましょう。
素人である売主は、それでは難しくて大変だから、資格のある宅建業者に手数料を支払って調査説明を補助してもらっています。
しかし、知っているのに、契約したいから、売主が買主に重要なことを知らせなかった場合は、「不法行為責任」とされます。
この場合、売主は、引渡し後10年を過ぎても免責とならずに、20年間買主に責任を負うこととなります。
判例 築後28年の中古住宅の売却で、8年前の火災ボヤの際、消防自動車が来ただけで、売主自身で消火した。台所はきれいに内装工事をしてきれいになったので、契約時には不動産仲介業者に質問されたが問題ないと考え、説明しなかった。
判決は、「古い建物とはいえ、グルニエ、大型車庫付き住宅という宣伝文句で買主が購入したのだから、少なくとも建物に価値があるので、その分は買主の損害にあたる。過去のボヤの事実も瑕疵にあたる。よって、60万円を売主は買主に支払え」と。
売主が知っていて告げない事項は「隠れた瑕疵」ではなく、「不法行為責任」です。したがって、20年間責任を負うことになります。

その3 「売主の情報開示書」とは

売主しか知りえない事項」が不動産にはたくさんあります。
これらの「売主しか知りえない事実」を売主が買主に隠蔽したり、説明しなかった場合は、不法行為として、売主は損害賠償請求を受けます。
たとえ、「瑕疵担保責任を負わない」という契約をしても、買主が全く想定していなかった欠陥については売主責任とされる場合が多い。

その4 宅建業者の業務にも限界がある!
買主に損害があると、売主が依頼した仲介業者のミスの場合は、売主の責任にもなる!

「業者にすべて任せたのだから、売主には責任はない」という考え方は誤りです。
「売主は買主に対して契約上の説明義務を負います」。
このため、「仲介業者の責任は売主の責任」となるのが、日本の民法の考えです。
業者選びは重要なポイント。

宅地建物取引業者は、「通常の不動産調査」を行って、買主に情報開示し、取引を進めます。
「通常の不動産調査」とは、”限られた範囲内の業務”を指しており、”目視と簡易計測”で、現地調査をします。
障害物のため見えないもの、地中にあるもの、給排水施設の瑕疵の状況などは調査の対象外です。
簡易計測では、5~10センチの誤差は、通常、生じます。敷地の状況によっては、15~20㎝の誤差が生じる場合もあります。
また、専門検査をするわけではないため、土地や建物の品質性能については、正確な回答を出すことはできません。
このようなことを、「知っている、知らない」とでは、売主の責任も大きく変わります。

その5 「思い込み」や「うっかり」がこわい!売主責任

不動産トラブルの多くは、不動産引渡後に、「隠れた瑕疵(欠陥)が発見されること」で、買主からの損害賠償請求により発生します。
このようなトラブルをなくす為に、あらかじめ不動産を売却する前に、「不動産物件情報報告書」を作成し、買主に交付することが有効です。

こういう売主様がいました。
中古住宅を相続して売却するようになり引渡し時に買主様に売主様のお父様が以前に布基礎にセメントを流してシロアリ対策をしていたのですが、この行為を買主様に【バッチリ、白蟻対策しています】と言ってしまい、その後買主様がリフォーム工事をしたときに白蟻被害が甚大でした。
その後、買主様が激怒してしまうという事例です。
やはり、お父様がやっているから大丈夫だという思い込みは良くないですね。
白蟻対策をしてから幾らかの年月も経ってますので状況が変わっているはずです。
分からない事は分からないで良いので、気になる事は契約前又は引渡し前にお金は発生しますが調査をしましょう!